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TPPで日本の農業が変わる。

TPP交渉が終わりました。僕が期待したコメの関税撤廃はならず、無関税枠として米国から年間5万トンが輸入される程度で終結した。それ以外はこれまで通りに輸入コメには7倍以上の関税が課せられ、農業の優遇体質は何も変わらないままとなる。

農家の方々の努力は知っているが、どうして8倍の価格差が発生するのか?

日本農業は、旧態依然として合理化を進めてこなかった。質の高いコメをつくる技術も米国に簡単に真似され、米国産コシヒカリと国産コシヒカリは区別もつかない程に技術差はなくなっている。かれこれ30年近く前の話だが、料理人をしていた父が米国産のコメを僕に食べさせた。米国産のコメがこんなに美味いのか!父と二人で驚くばかりだった。その時に父が言った「このコメの美味さは、農家の努力じゃないな。品種改良の努力やな」。

28年前、産経新聞で連載されていた農業改革というシリーズで、当時のサラリーマンが支払う所得税=農家への補助金と書かれてあった。減反してお金を貰い、転作してお金を貰い、戦後の農地改革でタダで貰った田畑を売り、都会のサラリーマンじゃ考えられない瓦葺の日本家屋に住んでいる。今でこそここまでの補助金はないだろうが、数十年前から農家は税金で守られてきた。都会で’暮らすサラリーマンが光化学スモッグの中で往復4時間の通勤をしている時代にだ。
そして現代に至るまでに体質改善はされないまま、小作を続け高コストなコメを市場に提供し続けてきた。
成長しない古い体質の農業に見切りをつけるところまで来たんじゃないかと思う。合理化を目指す農家も出てきている。今時、美味いコメは当たり前であり、低コストのコメを市場は望んでいる。

日本人は日本人の農家を買い被りし過ぎだと思う。