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許されざるもの

自称カレー好き。僕のカレー好きは、そんじょそこらのカレー好きとはわけが違う。カレーを一番愛しているし、カレーの為なら死ねるし、今食っているカレーをその瞬間一番愛しているし、今食っているカレーは明日出会うカレーの為の肩慣らしだと思って食っているし、嫌いなカレーなんて存在しないくらいカレーを肯定してきた。美味しいカレーしか愛せない、軟なカレー好きではないのだ!コノヤロー!

そんなある日、彼はやってきた。

叔母ちゃん(母の妹)が、「このカレー貰ったんやけど、お肉が多くて私らにはあわんから、あんた食べるか?」
肉が多いカレー=贅沢なカレー。そんな豪華なカレーを食さないわけにはいかない。早速鍋ごと持ち帰り、火にかけた。中を覗くとなんと豚バラのようだ。。。。珍しいナ。焦げ目があることから一度炒めてから投入されている事がわかる。ジャガイモはすでに溶けており姿形はもうない。反面玉ネギは、とろけるどころか立派に形を留めている。素揚げしてから入れたようだ。なぜだ?カレーだぞ?とろけてこそ意味があるのに・・・ソースは、ケチャップが多めで赤い色をしている。初めてだ、ここまでカレーらしくないカレーは初めてだ。見た目は既にカレーを呈していない。カレー粉が僅かに入ったケチャップシチューやん。

御飯を盛り、カレーと偽るケチャップシチューをかけた。そして口に入れた。

あぁ~、なんて不快なカレーだ。

僕は崩れ落ちそうになった。ソースはケチャップ味で溶けたジャガイモによりザラザラするけど水っぽい。そして溶けない豚バラと玉ネギは、自己主張し過ぎで固く歯切れが悪くサクサク音がする。豚バラの脂が浮きまくり、よどんだ表面はあまりにも汚いビジュアルで味覚・聴覚・視覚全てにおいて不快感しか感じない。

こ、こいつは、カレーを冒涜するカレーだ。

もう思考停止・・・・・カレー好きのみなさん、さようなら。

最後に、「このカレー貰ったんやけど、お肉が多くて私らにはあわんから、あんた食べるか?」叔母ちゃん!オブラートに包みすぎだ。

以上