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日曜美術館で再放送された植田正治

植田正治の写真は、ずっと前から好きで行き詰まった時は写真集を取り出してなにかヒントをもらおうと見ている。

写真を趣味にしたときに誰もが考える「演出」について。日本語で「写真」と表記すると「真実を写す」という意味に捉えられる為に演出やレタッチは許さないとする考え方。しかし、英語では「photograph」となりgraph(図)の一種という考え方になる。

僕が所属する写真倶楽部の方が言っていた。「タイトルを変えるだけでその写真は違う意味になる。だったら写真が真実を写すなんて嘘ですよね」
僕にとってこの一言は救いとなり「真実を写す」という枷というか重しがとれた気分になった。
そして、その証明として植田正治がいた。すぐに写真集を買いに行き何度も何度もページをめくった。

リアリズムはつくるものだ。

それからは、子供を撮る際も「もっと笑顔で」「もう少し左を向いて」など指示を出し日中シンクロやスタジオで画作りに取り組むようになった。

僕にとって演出は、ARTを加速させ真実という偶然を探すことなく結論ありきの作品を求める時間を与えた。

でも、誰も理解してくれない。